株式会社ENDROLL COOブログ

XRのスタートアップで働くCOOのブログです。

チュニジアからインターン生が来た話と、これからのこと

 
 
ちょっとエモいことがあったので書きます。
 

今の会社は大学の友人とやっていること

ENDROLL(https://endroll.me/)は大学時代にAIESEC(https://aiesec.org/)という団体で一緒だった友人3人で立ち上げた会社です。
 
その団体では主に「世界の優秀な人材に色んな経験を提供して、グローバルリーダー輩出しようぜ!」ってことを目指して海外インターンシップの運営をしてました。
 
日本の学生を海外の企業に送り出すこともあれば、海外の学生を日本の企業に受け入れてもらうこともあります。
 
各大学に支部がありとても人数が多かったので、中にはマジで優秀な人もいれば正直なんちゃってな人ももちろんおり、まぁいろんな見られ方をされることも多々ありましたが、僕にとってはとても大切な経験をさせてくれた思い入れのある団体です。
 

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△当時のチーム。その節はお世話になりました。

その団体のサービスを使って海外インターン生を受け入れたこと

で、それはそれとして昨年夏くらいからENDROLLでエンジニア職の採用活動を始めていました。
 
会社員時代に採用にそれとなく関わることがあったので大体の勘所は掴んでいる気はしていたのですが、相性が良くてもタイミングが合わなかったり、そもそもARという市場自体がまだ出来上がっていないということもあり、ビタッとハマるご縁がインターンですらなかなかありませんでした。
 
圧倒的に弊社が特殊なところもありますが、そもそもARエンジニアの定義すら曖昧な市場感において
・採用対象層のユーザーボリュームがあり
・スキルセットを把握するための可視化されたポートフォリオがあり
・弊社のフェーズ、カルチャーとマッチする方を探せる
という条件を満たすサービスやツールが(観測範囲で)存在しないことも大きかったです。
 
トライアンドエラーを繰り返しながら、時期も秋にさしかかり「このままではいかんぞ」と正攻法以外でどんな手札が自分たちにあるか、と考えた時出て来たのが、古巣のAIESECでした。
 
(具体的には以下がマッチしました。最後の一点に関してはめちゃくちゃ弊社都合です
・ちゃんと採用可能なユーザーボリュームがあり>126の国と地域に支部がある
・スキルセットを把握するための可視化されたポートフォリオがあり>依頼したスキルセットに応じて学生を選定してくれる
・弊社フェーズ、カルチャーとマッチする方を探せる>後輩もいるのでなんとなく弊社雰囲気を把握している担当がついてくれる)
 
AIESECでやってるのは海外インターンの斡旋だけなのですが、それでも大歓迎!ということで相談したところ、すぐに手続きを進めてくれ何人か候補を出しオンラインでの面接を組んでくれました。
 
その時に出会ったのが今回インターンに来ることになったチュニジア出身のsouheil(ソウヘイル)君です。 
 

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△ソウヘイルを紹介してくれた時のメール。なんか強そう。
 
最初は3DCGを学んでいる学生、という前提で紹介されたのでエンジニアの募集の今回は微妙かなぁと思いつつもskypeで面接してみると
「Games and unity developing is my life!!」っていう言葉とそれを体現する制作実績
ポートフォリオも自分がデザインしたゲームってだけじゃなく、実際にコードも書いて一人で作ってた
・こんないつ潰れるかわからんスタートアップの話をずっと面白そう!ってワクワクしながら聞いてくれた
と、良い意味で期待を裏切られ、終いにはなぜかARゲームのデモを持って来ており完璧にハートを撃ち抜かれました。
 
念のため「今回はメインはエンジニアの募集だから、もし合格してもエンジニアとしての君を期待するかもしれない。それでも気持ちに変わりない?」と聞いたら「良いゲームを作る、って点でやることは変わらないから全然問題ない!」と言われなぜか自分が「彼のためにいいインターンにしないと!!」と気持ちを引き締める不思議な会になりました(最終的に3DCGデザイナーとしてのオファーになりました)
 
 
かくして自分たちが提供していたサービスを5年越しに利用することになり、チュニジアからインターン生を受け入れる運びになったのです。
 
 

日本に来てからのこと

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△弊社の3DCG&アニメーターインターンチーム。絵になる。
2月にインターン生として入社したソウヘイルくんですが、それはそれは優秀でして、
5営業日で依頼したタスクを4時間で終わらせて来たり、グラフィックとアニメーションはもちろん、コードも書いたりと、2ヶ月間で多くの新しいトライをしてくれました。すごい。
 
業務的なメリットの他にも以下のような影響が社内にあり、毎日がとても新鮮でした(最後は代表の趣味です)
 

 

特に社内が優しい世界になった例として、今までは社内アクティビティといえば謎解き(1割)と飲み会(9割)だった我々が、せっかく日本に来てるならとのことで長野は諏訪方面まで足を伸ばし、チームビルディング(スノボ)をしてくるまでに。
 

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△チームビルディングで行ったスノボ。初心者のソウヘイル(左)と代表(右から2番目)がいつの間にかコース外の雪に埋まっていた。

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△めっちゃファンな「君の名は。」の糸守湖のモデル地 諏訪湖にてご満悦。半泣き。
彼が来てくれて学んだことは数知れずあるのですが、彼の特にすごい、というか感銘を受けたところはその圧倒的な知識好奇心でした。
 
毎週末にやっているハッカソンに参加して他社のエンジニアとコミュニケーションをとったり、AR関連のイベントにも参加したりと、日本語ができないのをもろともせずトライする姿勢がとても印象的で、苦手意識というか、我々は自分たちがいろんなことにバイアスに持ちすぎているように今回のインターンで感じました。
 
綺麗に収まるんじゃなくもっと小さな失敗を繰り返す勇気が大切、という当たり前のことを実際はあまりできていなかったんだなぁ、と思い知らされました。

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△頑張って日本語でメッセくれる。そしてあなたからもっと学びなさい。

これからのこと

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△「おもててんけど」は正しい関西弁なのだろうか
ソウヘイルはめっちゃ優秀だしいいやつだし、カルチャーもマッチしてるなぁとはずっと思っていたけれど、フランスのいいゲーム会社の内定もらってるって言ってたし、副業でいろんな会社から仕事のオファーが来ているのも知ってるし、きっと母国に帰るんだろうなぁさみしいなぁ...
と個人的に考えていたインターン終盤に、この驚きのアナウンスです。
上記の通りめっちゃ優秀だしいいやつでカルチャーもマッチしてるので、こちらこそ、という形でお返事させて頂きました。
 
自分たちが昔やっていたサービスから優秀な海外インターン生が来てくれただけでもめちゃくちゃ嬉しかったのに、まさかその彼が、自分たちの会社に入りたいなんて言ってくれるとは...この感情がエモか...
 
正直、海外から学生がくるものですから、社内には負荷をかけてしまったことも多々あったと感じています(ex:社内イベントが全部英語になる、空気を読むの概念が消える)
それでもみんな明るく彼を迎え入れてくれて、時にはぶつかったりもしながらもお互いをわかり合っていく過程を見ると、妥協せず人にずっっっっっっとこだわって来たことは間違いじゃなかったな、とひしひしと実感しました。
 
ちなみに最後に「日本にきて一番の思い出は?」とソウヘイルに聞いたところ
「takeshi(代表)とスキー場で遭難しかけたことだね!ハハ!」
って言ってました。基本は優秀なのに本当こういう時にお前はアレだな。
 
いい場面でいいこと言えない外人が弊社にジョインするので、みなさまぜひ遊びに来てください!!
(あと、海外インターン興味ある企業様いましたら、コソっと連絡いただければ繋ぎます!w)